今回は私の予備校時代の予習と復習・授業の受け方について書こうと思います。
これ以前の話は次の記事に書いたので、良かったら参考にして下さい。↓
予習の仕方
予習する目的
授業で「自分にとって重要なこと」を集中して聞くため
私は、予習の一番の目的は「自分にとって重要なこと」を把握する点にあると考えます。
ちなみに「自分にとって重要なこと」とは、次のようなものです。
- その授業の範囲で、自力で精一杯考えてもわからなかったこと
- その授業で、自分が知りたいこと
こうしたことを、あらかじめ知った上で授業を受けると、
勉強の密度が高まり成績があがっていきます。
逆に、「自分にとって重要なこと」を把握しないまま授業を受けると、
それを聞き流してしまうことになり、成績は横ばいのままです。
制限時間内に問題を解く訓練をするため
予習の二つ目の目的は、制限時間内に問題を解く訓練をすることです。
なぜ、これが必要だと考えたかと言うと、
練習で入試を受けた時に、次のように感じることがあったからです。
- 時間不足で最後の問題まで解けない。。。
- あと少し時間があれば、もっとマシな点がとれたかもしれない
来年の本番では、同じようなことがあってはいけません。
そのためには、普段から制限時間内に問題を解く練習が必要だと考えたのです。
時間不足の対策には、次のようなものがあります。
- 問題を見た瞬間、最適な制限時間を自分で設定する訓練をする
- 問題を解く順序を考える訓練をする
- 速読の練習をする
- 本文からではなく、設問から読むようにする
- 選択肢だけで正解を選ぶテクニックを習得する
けれども、まだ力がない人(偏差値60以下)は、むやみにスピードを上げずに正確に読解できることに力を入れた方が良いと私は思います。
正確に読解できない状態でスピードを上げたら、読み方がとても雑になってしまうからです。
ですから、私は次に書く「制限時間を決めずに問題を解くこと」も、予習時に同時に行っていました。
「わかってないのか」「時間が足りないだけなのか」を区別するため
予習の三つ目の目的は、次の2つを区別ことでした。
- わかっているのに時間不足で得点につながっていない
- そもそも理解できていない
なぜなら、制限時間を決めてやると、どうしても粗く問題を解いてしまうからです。
ですから、制限時間無しで再度問題を解いて、本当の自分の学力をチェックしていました。
(制限時間の有無で解答を2パターン作った)
そして、「そもそも理解できていないこと」を発見したら、
自分で調べられることは徹底的に調べ、
自分なりに考えらえるところまで考え尽くします。
そこまでやっても、なおわからなかったことが、
最初に書いた「自分にとって重要なこと」となります。
授業では、これを集中して聞くのです。
授業を復習にするため
予習の時にしっかり勉強しておけば、授業を受けることが復習になります。
例えば、予習の時に単語・熟語・文法を覚えておけば、
授業中にそれを復習することになるのです。
覚えたい知識は、繰り返せば繰り返すほど頭に残りますし、
授業中は目と耳と手から情報が入ってくるので、
さらに記憶に定着しやすくなります。
続いて、以上の考え方を踏まえて、予習で具体的に何を行うかについて解説していきます。
予習で行うこと
制限時間内に問題を解く
予習で最初に行うことは、制限時間内に問題を解くことです。
普段から、こうした訓練をすることで、本番や模試で「時間切れで最後まで解けなかった」ということを無くすことができます。
この時、問題ごとの制限時間はテキストに書かれていなので、自分で決めていきます。
(制限時間を考えることも重要な訓練です。)
参考までに、私の制限時間の決め方を紹介します。
私は大問が4つある90分の入試問題ならば、次のような感じで解いていました。
- 1問あたり15~20分で解く
- 見直しと予備時間10~30分
これをベースに、テキストの問題が、入試の問題と同じくらいの分量なら15~20分。それより短ければ5分短くするという感じで決めていました。
どうやって時間を決めたら良いかわからない場合は、最初はこのように、志望校の入試や模試の試験時間を大問数で割って決めていくと良いかもしれません。
最初はうまくいかないかもしれませんが、何度もやっていくうちに、感覚がつかめていきます。
制限時間を設定せずに問題を解く
続いて、制限時間を決めずに徹底的に考えて、もう一度解いてみます。
ですから、私の予習では次の2パターンの解答が存在しました。
- 制限時間内に解いた解答
- 時間無制限で考えぬいた解答
なぜこのようなことをしていたかというと、理由は次の通りです。
- 考えることが必要な科目(英数国など)は、頭をフル回転させて考える習慣をつけないと、いつまでも思考力がつかない
- 徹底的に考えてわからなかった問題は、「知りたい」「次は間違えないようにしたい」という欲求が高まる。このため、授業が記憶に残りやすい
全訳する(日本語訳・現代語訳)
英語や古文は問題を解くだけではなく、
本文の全訳(日本語訳・現代語訳)も行っていました。
ちなみに、全訳したのは次の理由です。
- 本当はわかっていないのに、たまたま正解したことを避ける
- 本当はわかっていないのに、わかったつもりになることを避ける
- どこでつまづいたのかを特定して、必要な知識を記憶する
自分が本当にわかっているならば、
日本語訳や現代語訳も完璧にできているはずなのですが、
全訳してみると間違えているところがかなり見つかるのです。
そして、間違えたところを一つずつつぶしていくと、成績はどんどん上がっていきます。
既に英語や古文が得意教科だという人は、ここまでやる必要はないと思いますが、苦手な人や力をつけたい人は、めんどくさがらずにやると良いと思います。
自分で調べればわかることは事前に全て調べておく
授業を受ける一番の目的は、次のような「自分にとって重要なこと」を集中して聞くことにあります。
- この授業の範囲で、自力で精一杯考えてもわからなかったこと
- この授業で、自分が知りたいこと
ですから、単語・熟語の意味や文法の知識など、授業を聞かなくてもわかることは先に自分で調べていました。
そして、徹底的に調べて考えたにも関わらず、どうしてもわからなかったことが「自分にとって重要なこと」となります。
このように、予習をしっかりしていると、調べたらわかるようなことに邪魔されないので、「自分にとって重要なこと」を集中的に聞くことができます。
しかも、事前に調べたことを授業で再び解説してくれるので、
授業が復習になるというメリットもありました。
私の予習方法は、以上のような感じです。
これを全て行うと、大体1時間半~2時間くらいの時間がかかりました。
全ての科目の予習に同じことを行う時間が無い時は?
以上の予習プロセスは、全ての科目に行う時間はないかもしれません。
実際、私の予備校時代前半は、特に数学に多くの時間をとられていたので、
全ての科目に対して上記のような予習はできませんでした。
そこで、次のように行っていました。
単純暗記の科目は復習重視にする
日本史や生物など、単純暗記の科目の予習はここまでやりませんでした。
予習は問題を解く程度に留めて、復習に力を入れていました。
「予習には時間をかけないが、学んだことは絶対に忘れない」という方針です。
そして、余った時間は最重要科目である英数国に使っていました。
得意な科目は予習時間を短くした
得意な科目(常時偏差値60を超えている科目など)は、
問題をサラっと解いて、復習を中心にやっても良いかもしれません。
私も、国語の成績が上がってきた秋以降は、
予習の「制限時間を設定せずに問題を解く」過程を省略することがありました。
(ただし復習はきちんとした)
そして、余った時間は苦手な教科の克服に使っていました。
授業の受け方
授業直前にやること
授業が始まる前に、テキストやノートを見て、
「この授業で何を集中して聞くのか」確認します。
ちなみに、「この授業で知りたいこと」とは、予習で出会った次のことです。
- 予習の時、自力で精一杯考えてもわからなかったこと
- 予習の時に、調べてみたがわからなかったこと
この作業は、5分~10分もあればできると思います。
目的意識を持って授業を受けた時と、そうでない時では吸収の仕方が違うので、
力をつけたい人にはオススメします。
授業中で集中して聞くこと
予習の時、自力で考えても調べてもわからなかったこと
「予習の時、自力で考えても調べてもわからなかったこと」
に対する解説を聞きます。
これが授業中に最も集中して聞かなければならないことです。
読解方法・解答の根拠の導き方
授業では、なぜその解答になるのか、
「読解方法」「解答の根拠の導き方」が説明されます。
この時、講師が解説する内容と、
自分の「読解方法」「解答の根拠」が合致しているかをチェックします。
合致しない場合は場合は、次回から講師と同じプロセスで正解が導けるように、
「読解方法」「解答の根拠の導き方」を記憶します。
全訳
予習の時に書いた全訳を添削するために、
講師が口頭で話す全訳もメモしておきます。
テキストに書かれていないが、講師が重要だと強調していること
授業から少し脱線して、講師は次のようなことを話すことがあります。
- 多くの受験生がつまずきやすいこと
- 入試に出やすいこと
- 志望大学に出やすい問題・出やすい出題形式
こうしたことも、聞き逃さずにメモしていきます。
授業中に解決できなかった疑問は、質問に行く
授業中に、全ての疑問が解消できない時があります。
そんな時は、すぐに講師に質問にしましょう。
すぐに行く理由は次の通りです。
- 授業直後は「それを覚えたい」「間違えないようにしたい」という気持ちが最も高い。このため、普段より記憶に定着しやすい
- 時間が経つと、何がわからなかったのかを忘れている。だから質問できない
授業が終わると、講師は帰ってしまったり、他の校舎に移動してしまうことがあるので、授業終了直後に教室で話かけるのがオススメです。
講師が忙しそうな場合は、今日の何時まで講師室にいるのか聞いて、後で質問しにいきましょう。
当日中に疑問を解消するのがポイントです。
復習の仕方
私は、予習と授業は、復習の質を高めるための準備で、
復習こそが成績を上げるために最も重要なプロセスだと考えます。
復習を丁寧にやると力がつくので、めんどくさがらずにやりましょう。
復習する目的
私は、次の目的のために復習をしていました。
- 同じ問題・似た問題が出た時に、必ず正解できるようになること
- そのために「間違えたこと」「知らなかったこと」「忘れなかったこと」を記憶すること
続いて、どんな復習を行っていたかを説明します。
授業直後に一度復習する
たった今授業で学んだことを忘れないようにするために、
私は授業直後に復習をしていました。
とは言え、予備校の休み時間は20分しかないので、じっくりやる時間はありません。
そこで行っていたのが、次のことです。
今何を学んだのかを頭の中で思い出す
これは、ノートもペンもいらないですし、5分もあればできるので、オススメです。
記憶を定着させるためには、何度も思い出すことを繰り返すことが大切です。
意識的に思い出す回数を増やすようにすると、忘れにくくなります。
その日のうちに、再びじっくりと復習する
復習は、先ほど書いた「授業直後の短時間もの」だけで終わりません。
私は、その日の授業が終わると、
自習室でじっくりと時間をかけて、次のような復習をしました。
今度は、ノートとペンを使った本格的な勉強です。
授業で学んだことを記憶する
復習では、次のような授業で学んだことを記憶していきました。
- 予習の時に自分で調べても考えてもわからなかったこと
- 読解方法・解答の根拠の導き方
- 講師が強調していたこと
- 知らなかった単語・熟語・文法など
次に同じ問題や似た問題が出た時に、必ず正解できるようなるには、「間違えたこと」「知らなかったこと」「忘れなかったこと」を記憶することが大切です。
やりっぱなしにせずに、必ず当日中に記憶・暗記をしていきましょう。
予習の時に書いた全訳を添削する
授業で学んだことの復習が終わったら、
次の手順で、予習の時に書いた全訳を添削していきます。
- 予習で書いた全訳と、授業中に聞いた正しい全訳を突き合わせて添削する
- 誤訳した箇所が見つかったら、なぜ間違えたのか理由を考える(大体、単語・熟語・文法・構文の取り間違えのいずれか)
- 必要な知識をその場で記憶する
ここで、大切なことは、その場で記憶するということです。
もう一度解けるかチェックする
最後の仕上げに、書き込みのない問題文を使って、もう一度問題を解いてみます。
そして、間違えたり、意味がとれなかった部分は、必要な単語・熟語・文法をその場で覚えます。
復習するために、あらかじめテキストをコピーしておき、書き込みのないまっさらな問題や英文を残しておくと良いでしょう。
復習はその日のうちにやりましょう
復習はその日のうちにやるのがポイントです。
その理由は、次の通りです。
- 授業を受けた当日は「それを覚えたい」「次は間違えないようにしたい」という気持ちが最も強いので、記憶に定着しやすい
- 時間が経つと「何がわからなかったか」を忘れてしまう
- 翌日以降は別の勉強があるので、今日学んだ内容を復習する時間がなかなかとれない
以上です。
この記事の続きは、次のページに書きした。↓
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