私が、受験勉強を通して一番苦労した科目が英語です。
というのも、「高校中退から早稲田大学に合格するまで」という体験記にも書きましたが、
私は高校を半年で中退した上、高校在籍時の英語の成績もどん底だったからです。
しかも、長い間引きこもり生活をしていたので、勉強のブランクも数年ありました。
このため、高校レベルの勉強はゼロから始める必要がありました。
当時の私がどれだけ知識がなかったかというと、
中学で学ぶ、次の4つは知っていたのですが、
- 第1文型:S+V
- 第2文型:S+V+C
- 第3文型:S+V+O
- 第4文型:S+V+O+O
高校で習う「S+V+O+C」の第5文型は知りませんでした。
時制も高校で教えてもらうものは知りません。
高校にろくに行かないままやめてしまったので、
中学までの知識しかなかったからです。
また、文法用語もよく理解していませんでした。
例えば、「副詞」という言葉は聞いたことがあるのですが、
それが何を意味するのかを知りませんでした。
加えて、引きこもりをしている間、勉強を全くしていなかったため、
中学で学んだはずの単語や熟語もかなり忘れていました。
このため、一文訳すのに何度も辞書を引くかなければならなかったので
すぐにボロボロになってしまいました。
https://808dekiru.com/eiwajitentukaikata/
このように、とことん英語が苦手だった私ですが、何とか得意科目にすることができました。
(9ヶ月で偏差値が30台から70台へアップし、40近く伸びました。)
ですから、英語が苦手だという普通の受験生はもちろん、
ゼロから勉強を始めるという人もやれば何とかなります。
「できるかどうか?」ではなく「自分は絶対できると”決めつけて”やる」だけです。
とは言え、昔の私のように「最初は何をしたら良いか」わからなくて
困っている人も多くいるの思うので、私のやり方を書いていこうと思います。
勉強法は、人それぞれだと思いますが、
一つのやり方として参考にしてもらえると嬉しいです。
はじめに
英語の勉強の初期段階で必要なことは、次の2つを覚えることです。
- 英文を読むための文法(文法問題を解く勉強と区別してます)
- 最低限の英単語・英熟語
最初は、この2つを記憶していきましょう。
これから、それぞれの勉強法を書いていきます。
英文を読むための英文法の身につけ方
英語は、単語だけを覚えても点数をとれるようにはなりません。
なぜなら、単語の意味をつなぎあわせただけでは英文を正しく理解できないからです。
そこで最初に「英文を読むための文法」を勉強します。
ちなみに、英文法を勉強していると「漢字で書かれた様々な文法用語」が出てきます。
入試では「次の英文を文法用語を使って解説せよ」という問題は出てこないので、
私は、”この時点では”こうした文法用語を積極的に覚えることはしませんでした。
「こういう形の英文が出てきたら、こんな風に訳せばよいだろうなぁ」ということが
何となくわかるようになることを目標にして勉強したことを覚えています。
最初のうちは、完璧主義にならずに「ふむふむ。このカタチは、こんな意味になるんだ。」くらいの気楽な気持ちでやると良いかもしれません。
では、やり方を詳しく書きます。
(1)使用参考書:高1~高2用の文法書
「総合英語」と名の付く参考書がオススメです。(フォレストが有名です)
もし、高校で使っている本があればそれを使いましょう。
また、中学レベルの文法知識があやふやな場合は、中学生用の本を1冊やった方が良いです。
私の現在のオススメは「くもんの中学英文法」です。
(2)目標:英文を見て日本語訳が言えるようになる
繰り返し回数を多くするのがポイント
英語に慣れるために、同じ参考書をとにかく繰り返す勉強をしていきいます。
2~3回しか繰り返していないうちは、日本語訳が言えない英文ばかりだと思いますが、回を重ねるごとに「この英文見たことがある」という例文が増えていくと思います。
おそらく、10回近く繰り返せば、どんどん日本語訳が言えるようになると思います。
それでも、ダメなときは繰り返す回数をもっと増やすだけです。
ゼロから勉強を始める時は、「質」より「量」だと覚えておきましょう。
総合英語どのくらいできるようになれば良いか?
この勉強をいつまで続けていくかですが、
例文の8割くらいの日本語訳が言えるようになれば総合英語は卒業です。
英文解釈や長文読解等の勉強に移りましょう。
そして、英文解釈や長文を勉強している時によく理解できないところが出てきたら、
この本を文法辞典的に使うと良いと思います。
そうすれば、残りの2割も気がつけばマスターしています。
- 巻末にある索引で該当する項目を調べ、読んで記憶すること
- 最初は同じ項目を何度も調べることになる
- 復習を何度もすることになるので、記憶を定着させる助けとなる
では、勉強を具体的にどのように進めていくのかを書いていきます。
(3)参考書の使い方
1回目:解説を読みながら例文を和訳→英文の順に読む
「この英文はこんな意味なんだ、ふーん」って感じで眺めたり、ノートに英文を書いていきます。声に出して読んだり、紙に英文を書き写してみたり「体を使って」勉強すると、頭に残りやすくなります。
この時、いくつかコツがあるので、紹介します。
完璧にやろうという心構えは大切ですが、最初からうまくできるはずがありません。だから、「完璧にやろう」という気持ちを持ちつつ、「何度も繰り返していくうちに覚えよう」とゆったり構えて勉強して下さい。
最初は、解説を理解できなくて当たり前です。よくわからなくても、読んでいきましょう。どうしても、頭に入ってこないと感じる時は、英文だけでなく「和訳」「解説の日本語」も音読すると良いでしょう。しつこいくらいに、繰り返していくうちに、知っている用語もだんだん増えていき、理解できるようになります。
簡単そうな単語、例えば「at」「of」「go」とか、「知ってるつもりで曖昧な単語」や、「こんな単語を辞書を引くなんてかっこ悪いなぁと感じる単語」も意味がわからなければ全部調べましょう。
成績が上がらないのは、それを知らないからです。面倒くさがらずに、知識の穴を埋めていくと成績がどんどん上がっていきます。
単語を全部調べた後に、自分流の直訳を紙に書きます。
おそらく最初は、メチャクチャな日本語訳になるでしょう。
でも、「自分で書いた直訳調の日本語」と「参考書のこなれた日本語訳」を比較するようにすれば、英文がなぜそんな意味になるのかが次第に理解できるようになってきます。
英語が得意になれば、紙に書かずにやっても良いですが、「わかったつもり」「できたつもり」になることを避けるため、最初のうちは必ず紙に書くことをオススメします。
次の画像のように意味を書き出しておけば2回目以降の勉強が楽になります。
2回目:英文を読んで意味がわからない例文に×印をつける。
意味がとれた英文は、特に何もしなくてもOKです。
意味がとれなかった英文には3回目以降「ここができなかった」とわかるように「×」印を入れておきましょう。
この時も、コツがあります。
参考書の解説を読んだり、欄外に自分で書き込んだ単語の意味を見ながら、自分なりになぜそんな意味になるのか考えてみましょう。
解説を読んでもわからないことがあると思いますが、現時点ではあやふやなままでOKです。
勉強を始めたばかりのあなたは、わからなくて当然なのです。
わからないから「自分はダメなんだ」と考えてはいけません。
挫折して勉強をやめてしまったら、元も子もありません。
「自分は、勉強を始めたばかりだから、今はよくわからない。だけど、何度も繰り返すうちにきっと理解できるようになるはずだ。だから大丈夫」という気持ちで勉強しましょう。
ただし、いい加減な気持ちでやるのではなく、「理解しよう」という強い意志を持ってやることが大切です。
勉強は、どんな気持ちでやるのかが大切なので、
自分がどんな気持ちで机に向かっているのか、時々確認すると良いかもしれせません。
3回目以降:×印のついた例文のみ2回目の作業を繰り返す。
2回目のやり方と同じです。
その本を、1回勉強するためにかかる時間をストップウォッチで測ってメモしておくと、
回を重ねる度に劇的にスピードが上がるのがわかるので、やる気がアップします。
(4)ポイント・完璧主義にならないこと
これまで、何度か強調してきましたが、完璧主義にならないようにしてください。
今の自分とすごい人を比べ、「自分はあんな風にできないからやっても仕方がないと」考えて、スタートできない人がいます。(私もそうでした)
また、勉強をはじめたとしても、一向にできるようにはなりません。
(成績を上げるには時間がかかるのです)
そこで、「やってみてけどダメだ。投げ出してしまえ」となってしまいます。
私は、これが三日坊主という現象の原因ではないかと考えています。
一歩踏み出せない人や、三日坊主になってしまう人は目標や基準が高すぎるのです。
前に進めない時は、ハードルを下げましょう。
すごい人と比較したり、完璧主義になるのではなく、小さい作業を淡々と続けていくイメージでやると良いかもしれません。
完璧にしようとするあまり、いつまでも先に進まない人がをしばしば見ます。
例えば、歴史科目で原始時代にはめっぽう強いのに、近現代はサッパリというような人です
試験は、その科目全体から出題されますし、勉強の後半で出てくることばかりが試験に出ることが多いです。
それに、全体像を把握してはじめて理解できることもしばしばあります。
だから、どうしても理解できない箇所があったら、とりあえず前へ進みましょう。
時間を節約するためにも、わからないことは「あやふやなまま寝かせておく」ことも時には必要です。
誰でも最初はできなくて当たり前です。
なのに、「ああ、どうして自分はこんなことができないんだろう」と思いつつ完璧を目指すときっと心が折れます。
挫折して勉強自体をしなくなってしまったら本末転倒です。
勉強をやらないよりは、いい加減な気持ちでやった方がまだマシです。
ですから、自分は完璧主義の人だと心当たりのある人は、力を抜いてどんどん先へと進んでいくことを意識しましょう。
「ここの関係代名詞がここにかかって、副詞節がどうたらこうたら」と文法的に解説せよ、というような問題は出ません。
文法書を読むと何やらややこしい漢字の文法用語が出てきますが、そうしたものにとらわれず、「英文の日本語訳が何となくわかればいいんだ」くらいの気楽な気持ちで勉強すると良いでしょう。
さきほど「10回以上繰り返す」と書いたので、「そんなこと自分にできるのだろうか」と面食らった人がいるかもしれません。
非常に時間がかかるように思えますが、回を重ねるごとに必要な時間が減っていきます。
辞書で意味を調べたりする必要のある1回目は、何時間もかかるかもしれませんが、
最終的には1冊チェックするのに、その何分の一の時間でできるようになるでしょう。
実際は想像以上に少ない時間できるので、構えすぎないようにして下さい。
なお、この考え方は全科目に共通です。
(5)英文法問題について
英文法問題集という本がありますが、私のように知識ゼロの状態から、
分厚い英文法問題集に取り組むのは大変だと思います。
でも、実は文法問題のかなりの部分は、英熟語を知っていれば解けます。
ですから、私のゼロから英語の受験勉強を始める場合は、
英熟語集をどんどん覚えていくようにすると良いでしょう。
https://808dekiru.com/eijukugoanki/
そして、勉強が進むにつれ「英熟語の勉強だけではカバーできない部分」がでてきます。
この時、これらを英文法問題集を使って勉強していくのです。
ちなみに、私が、英文法問題集に取り組んだのは、
英語の力がかなりついてきて「英文法問題が足を引っ張っているなぁ」と感じた頃です。(偏差値60台後半の頃)
この頃には、最初から問題集の6割~7割は解けるようになっていたので、負担を少なく勉強することができました。
というわけで、英文法問題と、”文法”という名前が入った単語ではありますが、
「英文を読むための英文法」を勉強している段階では置いておいた方が良いかもしれません。
最低限の単語力の身に付け方
ゼロから勉強する人は、語彙力が全くないと思います。
でも、語彙力がないと一文を訳すのに
何度も辞書をひかなければならないため非効率です。
そこで早い時期に、易しめの単語集や熟語集マスターしておきましょう。
その後の受験勉強を効率的に行うことができます。
オススメの参考書
オススメの参考書は、単語数が少ない単語集・熟語集です。
多くの受験生が使っている単語集は
「英単語が2000語」「英熟語が1000個」とか収録されていますが、
ゼロから勉強を始める場合は収録語数が多いと心が折れてしまいます。
受験勉強を途中で投げ出さないために、最初は収録語数が少ないものをオススメします。
ちなみに、私のおすすめは、次の2冊です。
語彙力不足の人は、本書を覚えるだけで相当力がつきます。
そして、一冊覚えきったということが大きな自信になります。
この自信が大切です。
「自分は一冊覚えることができたのだから、もっと覚えることができるはずだ」という、
次なる勉強への推進力になります。
実際、難関大に合格するには、さらに単語や熟語を覚える必要があります。
2冊目に「英単語が2000語」「英熟語が1000個」の本をやらなければならないのですが、
次の理由で、やりきることができるはずです。
- 1冊覚えきった自信
- 既に色んな単語・熟語を覚えているので、勉強の負担が少ない
ですから、最初は収録語数の少ない本を1冊やってみることをオススメします。
また、中学レベルの単語があやしい人は、
先に中学の単語集を先に勉強すると良いでしょう。
「周りの人が高校レベルの本を勉強しているのに、中学生向けの本を勉強するなんて」と思うかもしれませんが、
それが成績を上げる近道です。
九九を覚えていなければ、中学の数学はできませんよね?
中学レベルの英語の知識は、高校英語での九九みたいなものです。
めんどくさがらずにやりましょう。
ただし、中学生のように3年間じっくりやるのではなく、
大学入試に間に合うよう、速いスピードでやってしまいましょう。
単語・熟語の勉強法
なお、語彙を増やす具体的な勉強法は次のページに書きました。
良かったら参考にして下さい。
最後に
私は独学で基礎を固めましたが、独学を推奨しているわけではありません。
家庭教師や個別指導塾等使えるものは何でも利用しましょう。
独学で手も足も出ないという人はこれらを積極的に使うべきだと思います。
目標は大学合格なので、使えるものはなんでも活用しましょう。